はじめに
現代のビジネスにおいて、SNSは集客の強力な武器とされています。しかし、すべての企業がSNSに投資すべきとは限りません。特に売上10億円以下の中小企業にとっては、SNSよりも優先すべきことがあります。
このブログでは、中小企業の社長と会計士の対話を通して、「SNSより先にやるべきこと」が何かを明らかにしていきます。
会話:SNSの前にやるべきこととは?
社長(大谷さん):
「最近、売上が伸び悩んでてさ。やっぱりSNSマーケティングにもっと力入れたほうがいいかなって思ってるんだよね。」
会計士(川口):
「社長、ちょっと待ってください。SNSに広告費をかける前に、確認したいことがあるんです。」
大谷社長:
「え?今の時代、SNSって集客の王道じゃないの?」
川口会計士:
「たしかに、SNSは強力なツールです。でも、売上10億円以下の会社が本当に投資すべきは『マーケティング』ではなく『ポジショニングと商品力』なんですよ。」
「どこにでもある商品」は売れない
川口会計士:
「そもそも、今の社長の商品やサービスって、お客様にとって“選ばれる理由”は明確ですか?」
大谷社長:
「うーん…品質は良いし、価格もそこそこ。でも、同業他社と比べて大きな違いって言われると…正直、弱いかも。」
川口会計士:
「そこなんです。今のままSNSでどれだけ露出を増やしても、結局“よくある会社のよくある商品”の認知度を上げるだけ。選ばれる理由がなければ、広告の効果は薄いです。」
大谷社長:
「たしかに…広告出しても“問い合わせが増えない”っていうのが今の課題だな。」
ポジショニングと商品力が先
川口会計士:
「だからこそ、まずは“ポジショニング”と“商品力”に集中すべきなんです。」
大谷社長:
「ポジショニングって具体的にはどういうこと?」
川口会計士:
「『誰に対して、何を提供する会社か?』という軸を明確にすることです。
たとえば、“30代の子育てママ向け”“高齢者特化型”“建設業専用ツール”など、対象を絞って強みを打ち出すことで、価格競争からも抜け出せるんです。」
大谷社長:
「なるほど、ターゲットをぼやかさないってことか。」
川口会計士:
「そうです。そして、次に“商品力”。他社と比較して『これは本当にすごい!』と思わせる要素がなければ、どれだけ認知されても響きません。」
売上10億円までは「商品で売れる」
川口会計士:
「実際、年商10億円までは“営業や紹介・口コミ”だけでも成長できます。商品やサービスが優れていれば、無理に広告に頼らなくても売れるんです。」
大谷社長:
「じゃあ、SNSとか広告はまだ早いってこと?」
川口会計士:
「“整ってから使うべき”なんです。ポジショニングも商品も曖昧なまま広告を出しても、結局“もったいないお金の使い方”になります。」
認知より「理由」
川口会計士:
「マーケティングは“認知を広げる”ことが目的です。でも、『なぜ選ばれるか』が整っていなければ、認知が広がっても意味がない。売れない商品が広まるだけですから。」
大谷社長:
「耳が痛いけど…たしかに、そうだな。」
最後に:やるべきことの優先順位
川口会計士:
「売上が10億円を超えてきたら、マーケティングへの投資が効いてくるフェーズに入ります。でも、それまでは“選ばれる理由をつくること”が最優先です。」
大谷社長:
「ありがとう、川口さん。SNSに飛びつく前に、やるべきことが見えたよ。」
まとめ
SNSや広告にお金をかける前に、まず「誰に」「どんな価値を」「なぜ選ばれるのか」を明確にする。
ポジショニングと商品力が整っていれば、自然と売上はついてきます。
中小企業にとっての成長戦略は、派手な広告ではなく、地に足のついた“選ばれる理由”づくりなのです。