利益改善の源泉は社内にある

社長(田村さん):「最近ほんとにしんどいよ。頑張っても売上が思うように伸びない。ウチもそろそろ限界かもしれん。」

会計士(鈴木):「田村社長、お疲れさまです。今日ちょっと大事な話をさせてもらっていいですか?社長のような真面目な中小企業が今、みんな陥ってる“ある落とし穴”があるんです。」

田村さん:「落とし穴?なんかイヤな予感しかしないな(笑)」

鈴木:「実は、多くの会社が“利益を出そう”と思った時、真っ先に考えるのが“売上を増やすこと”なんです。」

田村さん:「それは当たり前でしょ?売上が増えれば利益も増えるって、昔から言われてるよ。」

鈴木:「それが、今はもう通用しにくくなってるんですよ。」


売上を追っても利益は残らない?

鈴木:「今の時代、単価は上がらない、原材料は高騰、人手も足りない。その中でムリに売上を増やそうとすると、値引き・広告・人件費が先に増えてしまって、結果として“利益率が悪化”するんです。」

田村さん:「うちも、去年のキャンペーンで売上は伸びたけど、結局赤字だったなぁ…あれ、利益率悪かったのか。」

鈴木:「まさにそれです。多くの社長は“売上数を増やせばなんとかなる”と思い込んでる。でも、それって“外に答えを求めている”状態なんです。」


本当の答えは「社内」にある

鈴木:「でも本当に利益を出すための“源泉”は、実は社内にあるんですよ。」

田村さん:「社内?ウチの社内はボロボロだけどね(笑)」

鈴木:「そこがチャンスなんです。特に歴史がある会社ほど、現場のムダや非効率が当たり前になってしまっていて、改善すべきポイントが山のように眠ってるんです。」

田村さん:「たしかに、昔からのやり方を誰も疑ってない部分って多いかも…。」


利益改善の第一歩は「見える化」

鈴木:「例えば、こんなことありませんか?
・毎日やってるけど、誰も意味を説明できないルーティン
・在庫が多いけど、何が売れてて何が死んでるのか曖昧
・業務が属人化して、誰かが休むと全部止まる
これ、全部“社内の改善ポイント”なんです。」

田村さん:「…あるある過ぎて怖いわ。」

鈴木:「これを一つずつ、従業員と一緒に洗い出して、数字で見えるようにしていく。たとえば“在庫を月50万円圧縮”とか“業務時間を1日30分短縮”とか。」

田村さん:「なんか地味だね。」

鈴木:「はい。**地味で目立たない改善こそが、利益の正体なんです。**でも、それができない会社は、本当に消えていきます。」


社内に目を向けた会社が生き残る

鈴木:「外に目を向けるのも大事ですが、それよりもまず、“今ある資源で、何を改善すればもっと利益が出るか”を考えることが重要です。」

田村さん:「たしかに…。売上ばっかり見てたけど、社員の作業のムダとか、意味のない工程とか、いろいろ思い当たる節があるよ。」

鈴木:「そうです。それに社内の改善は、社員を巻き込めば“参加型の利益づくり”にもなります。みんなで成果を実感できるから、職場の雰囲気も良くなりますよ。」


小さな改善が、大きな利益を生む

鈴木:「実際、僕が関わった製造業の会社で、現場の清掃ルールを変えただけで作業効率が上がって、月間で残業代が10万円削減された例があります。誰もが『こんなことで?』と思うような改善が、会社の利益に直結するんです。」

田村さん:「小さなことが、大きな結果に…ってことだね。」

鈴木:「はい。売上を10%伸ばすのは難しいですが、ムダなコストを10%削るのはすぐできることも多い。だからこそ、まずは“社内”に目を向けてみてください。」


最後に:利益は足元にある

田村さん:「なんか、利益って“もっと売ること”だと思ってたけど、実は“もっとよくすること”でもあるんだな。」

鈴木:「まさにその通りです。外を探しに行く前に、自社の中に眠っている“利益の源泉”を掘り起こしましょう。それが、強くて続く会社のつくり方です。」


まとめ

  • 今の時代、売上を伸ばすことは難しく、利益率が下がりやすい

  • 本当の利益改善のカギは、社内にある改善点を見つけること

  • 在庫、工程、時間、人…どれも数字で管理できれば利益につながる

  • 地味で目立たない改善を、従業員と一緒にやれる会社が生き残る

  • 「売上より社内」に目を向けると、利益が見えてくる

 

POST: 2025.05.09