「これだけ働いているのに…」中小企業社長が悩む本当の原因
「もう何ヶ月も休みなし。朝から晩まで働いてるのに、全然売上が上がらないんです。」
こんな声を、多くの中小企業の社長さんから聞きます。
頑張っている、でも成果が出ない。その原因は、**努力の量ではなく“努力の方向”**にあるかもしれません。
今回は、公認会計士である私と、ある中小企業の社長との実際の会話をもとに、「頑張っているのに成果が出ない会社」の共通点とその解決策を、わかりやすい会話形式で解説していきます。
社長と会計士の会話:頑張っても結果が出ない理由とは?
社長(山本さん):「いや〜最近、本当に毎日遅くまで働いてるんですよ。なのに、売上が全然増えなくて…正直、しんどいです。」
会計士(川村):「山本社長、いつも本当に頑張ってらっしゃいますよね。でも、実は“頑張っても成果が出ない会社”には、共通点があるんです。」
山本さん:「えっ…共通点ってなんですか?」
川村:「それは、“思いついたことを順番に全部やってしまう”ことなんです。」
思いつきで経営する会社は、ギャンブルをしているようなもの
山本さん:「でも、中小企業ってスピード勝負だって言うし、浮かんだアイデアはすぐ動いた方がいいんじゃないんですか?」
川村:「たしかに、行動力は中小企業の強みです。でも、今の時代って“やれること”が無限にあるんですよね。
SNS投稿、補助金申請、新商品開発、営業強化、広告出稿、業務改善…。全部やろうとしたら、あっという間にお金も人手も時間も尽きます。」
山本さん:「あ〜、ウチも全部やってるかも…。SNS運用して、チラシ出して、補助金も申請して…。正直、どれが効いてるのかよくわからない。」
成果が出ないのは、行動が足りないからじゃない
川村:「経営者の多くは、“もっと動けば成果が出る”と思っています。でも、**本当に必要なのは、“選択肢をしぼること”**なんです。」
山本さん:「選択肢をしぼる…?」
川村:「たとえば、5つの集客方法があるとします。それぞれに20%ずつ力を注ぐより、1つに100%の力を注いだ方が、成果は確実に出やすい。
中途半端に全部やるのが、一番コスパが悪いんですよ。」
成功している経営者ほど、“やらないこと”を決めている
川村:「経営って、“やることを決める”よりも、“やらないことを決める”ことの方が大事だったりします。
成功している会社って、実はやってることが少ない。絞ってるんです。」
山本さん:「あ、わかる!知り合いの経営がうまくいってる会社も、やってることがすごくシンプルだった!」
川村:「そうです。だからこそ、**最小のコストで最大の売上をつくるための“戦略的な選択”**が必要なんです。」
動く前に「考える時間」をつくろう
山本さん:「でも正直、“立ち止まる”のが不安なんですよね…。何かやってないと落ち着かなくて。」
川村:「その気持ち、すごくわかります。でも実は、何も考えずに行動する方がリスクが高いんです。
1日でもいいので、“やらないことを決める日”を設けてみてください。ムダなコストと時間が驚くほど減りますよ。」
頑張りの方向を変えるだけで、業績は変わる
川村:「社長、成果が出ないのは、**“努力の量”じゃなくて“努力の方向”**の問題です。
間違った方向に全力で走っても、ゴールにはたどり着きませんよね?」
山本さん:「ほんとですね…。僕、やることばっかり増やして、“何をやらないか”なんて考えたことなかったです。」
川村:「まずは、今やってることを全部紙に書き出して、“やめること”を決めてみましょう。
その作業が、成果への第一歩です。」
まとめ:中小企業が「頑張っても成果が出ない」理由と処方箋
✅ 成果が出ない原因とは?
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頑張りが足りないわけではない
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「思いつきで全部やる経営」が原因
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「何をやらないか」が決まっていないから
✅ 成果を出すためにやるべきこと
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行動の前に“選択”をする
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やることではなく“やらないこと”を明確に
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最小のコストで最大の成果を生む方法に集中する
最後に:経営の質を変える第一歩は“選択”から
多くの社長が、「もっと頑張れば何とかなる」と思ってしまいがちです。
でも、現代の経営は「がむしゃらに頑張る時代」から、「賢く選んで動く時代」に変わっています。
このブログを読んだあなたも、今日から“やること”ではなく、“やらないこと”に目を向けてみてください。
きっと、今よりもずっと軽やかに、そして確実に、成果が出る経営へと近づいていけるはずです。